ITを駆使してハンディキャップのない社会へ
福祉現場でのGameFiの可能性に迫る連載企画。後編は、生まれつき脳性小児麻痺という全身性障がいを持つ宮内康裕さん。何事にも積極的にチャレンジする宮内さんの話を聞くうちに、GameFiが持つ未知の可能性が見えてきました。
第一印象は「ゲームで稼げるって本当?」
福祉事業所から「GameFiをしてみませんか?」という声掛けに対して、一番に「やります!」と返事をしたという宮内さん。聞いた当初はどんな印象を抱いたのでしょうか。
宮内康裕さん(以下宮内)「トラストバンクの小柴義明さんから私が所属している事業所のメンバーに向けて、GameFiをやってみませんか?という連絡がありました。初めて聞いたときは、ゲームをしたらお金がもらえるというのが理解できず漠然としたイメージだったのですが、とりあえずやってみようと立候補しました。
今回体験した『タイタンハンターズ』はスマホ用ゲームですが、私は細かい作業ができないので、パソコンでアプリをインストールしてプレイできるように設定をしました」
宮内さんが体験したタイタンハンターズとは、ダンジョンにいるモンスターを倒してTITAトークンを獲得していくというゲーム。宮内さんが実際にプレイして感じた興味と障壁について話します。
宮内「プレイしてみてすぐに私でもできるゲームだなと思いました。でも、ゲームを進めるにつれて手を激しく使うシーンが増えてきたので、手がうまく使えない私にとっては少し難しいと感じることも。焦ると緊張が強くなってしまうので、自分はRPGなどのゲームの方が適しているとわかりました」
ゲームの選択肢が増えることが福祉現場での活用に繋がる
3週間ほど『タイタンハンターズ』をプレイして抱いたGameFiに対する希望について聞きました。
宮内「1番期待しているのはGameFiで安定して収入を得れることです。そのために色んなハンディキャップをもつ人にマッチするように、様々なタイプのゲームを作ってもらえるとありがたいです。また、ゲームのサービス終了も不安要素ではあるので、できる限りサービス提供を続けて欲しいです」
さらに、ギルドについてはこんな要望が。
宮内「今回はSamurai Guild Gamesのギルドメンバーとは交流はできてませんでしたが、今後はゲーム攻略の意見交換など交流ができたらいいなと思っています!」
気になることには一直線の行動派
常に前向きな姿勢の宮内さん。自分の性格や休みの日の過ごし方について話してくれました。
宮内「子どものころは野球ゲームが好きでよく遊んでいました。なのでGameFiの話を聞いた時も、ゲームで稼ぐことに対しての抵抗はなかったです。自分の性格は、比較的、社交的だと思います。また、一つの事に対して納得がいくまでとことん突き止めたくなることも。親などからは、しつこいと言われますが(笑)。
現在は、群馬県内で毎日ヘルパーサービスを受け介助をしてもらい、パソコンでバイトの仕事をしたりリハビリを受けに行ったりしながら一人暮らしをしています。愛車の電動車椅子で外に出かけるのが好きで、よくショッピングにも行きます。バッテリーがもつ範囲でしたら、どこへでも行きます」
取材時の宮内さんの笑顔からもアクティブに人生を謳歌していることが伝わりました!
宮内「いつもサポートしてくれる小柴さんをはじめ、今回GameFiを紹介してくださった事業所の職員の方々には、本当に感謝しています。今はコロナ禍で遠出することが難しいですが、落ち着いたらゲームで稼いだお金で京都旅行がしたいです!」
ハンディキャップがあってもITを使いこなせば世界は広がる
最後に、宮内さんがGameFiを体験して、ハンディキャップを持つ人たちに伝えたいメッセージについて教えてもらいました。
宮内「GameFiの一番の魅力はなんといっても、ゲームを楽しみながらお金を稼げる点です。でも、パソコンやスマホに苦手意識がある人には、難しい印象を抱きそうと感じました。なので、自分の体験談を通して、障がいがあっても、ITを駆使すればGameFiという新しい収入源にチャレンジできるし、色々な可能性が広がってくることを多くの人に認知されるようになれば良いなと思っています!」
前編はコチラから>>「GameFiを活かして障がい者がより生きやすい世の中に」
取材:Ganverse Media、Samurai Guild Games
編集・ライティング:Samurai Guild Games、Ganverse Media